2010年9月25日
さて、楽しい徳山鮓での食事ですが、
やはりメインの話題は酒の話になりました。
話を伺っていて
フランスで日本食材を販売し、しかも日本酒の大好きな
WFFCフランス支部長の藤本様の思いとしては
以下のような事だと、私は理解しました。
sakeと名が付けば日本ブランドとしてヨーロッパでも
一定の需要があった時代はもう過去の話で、知識も増え
舌も肥えている人々をそれだけで納得させるのは難しい。
ところで日本酒は新しいもの、出来立てのものが最も美味しいと思う。
古酒というものもあるが、基本はワインのように熟成させて
美味さが向上する性質のものではないと考える。
以前なら物流も未発達で、日数もかかり保管状態も
必ずしも良いとは言えなかったし、
メジャーな日本酒の銘柄にはアメリカ産の、
しかも値段も安いものが出回っていたので
日本から酒を運ぶメリットも少なかった。
片や日本では量産はできないものの、各地方でこだわりの
美味しい地酒が増えて来た。
そして、今では物流のスピードも質も向上したので
ヨーロッパでも日本と殆ど同じような状態で
酒を楽しむ事ができるようになった。
そんな今の時代に、価格でアメリカ産と競合せず
大方が地元で消費されているだけの、けれどもおいしい酒、
いわゆる地酒を発掘して、フランスで紹介し提供出来れば
どんなにすばらしいだろう!
以上ような事だと思います。
日本は均質で大量生産する経済から成熟経済に移行した
といわれていますが、具体的にはこのような形で
地方でのこだわりの製品が世界で評価されるのは
いい見本になると思います。
私が理解出来たのはこの一点のみで
後は藤本様一行と冨田様とで、酒の世界の流通の話など
色んな人物名が出てきて、かなり込み入った話をされていましたが
私はチンプンカンプンでした。
ただお互い活き活きと話をされていましたので
雰囲気的には楽しいものでした、、、、、、。
え〜、、、、
さて、肝心の鮒寿司なんですが、
藤本様と最初のコンタクトがとれた時、
つまり一年以上も前の事ですが
以下のような返事を頂きました。
「EUでは肉、卵、牛乳、魚介類はたとえ
エキスであっても、「実質上」輸入禁止です」
「実質上」とはグレーゾンはありますが
合法的ではないとの事なのですね〜。
貿易上の大きな壁です。

<徳山鮓にて>
2010年9月23日
1度目の記事「徳山鮓 予約と予習」は下記にリンクを貼っておきます。
今夜は満月です。(十五夜は昨日でしたが)

<秋分の日の満月>
先日の冨田酒造での試飲会の続きの話でございます (^^♪
徳山鮓で宿を取られた藤本さんが、私と冨田さんとを
夕食に招待して下さいました。
皆さんは七本鎗で、私はウーロン茶で(勿論今回もピッチャーで)
料理を楽しみました。

<鯖のナレズシと鰻>
鯖寿司というのは何処にでもありますが、鯖のナレズシは
北陸や滋賀ぐらいしかないように思います。
トマトソースが乗っかっています。酸味の組み合わせが
いい具合です。緑の皿は鱧ではなく鰻です。

<余呉湖の鰻 大皿>
この鰻は以前も食べましたが相変わらず皮はパリパリッとしていて
身自体はフワフワです。眩してある山椒の実が美味しいです。
裏山で採取されるそうです。

<カラスミと豆腐を発酵させたもの>
私はカラスミは正直食べ慣れてないので、そもそもが
どんな物か知りませんけれども、このカラスミは
発酵の風味もいい感じで美味しかったです。
豆腐を発酵させたもの、これも美味しい発酵食品でした。
重しをかけて漬けたのでしょうか?
ギュッと歯ごたえも締っていて若干の酸味もいい具合でした。

<鮒鮓の大皿>
私は最も流通している鮒寿司の字を使っていますが
本来は意味からして鮒鮓の字が正しいです。
相変わらず徳山鮓の鮒鮓は全く抵抗感のない一品です。
匂いも味の抵抗感も殆どなく、何切れでも食べられます。
クドさを感じません。
今回は昆布の細切りをまぶしたり、ハチミツをかけたり、
そこに新たな試みを見ました。昆布の組み合わせは
旨味成分の増幅作用を狙っていると私なりに理解出来ましたが
ハチミツの組み合わせは度肝を抜かれましたw

<鮎の塩焼き>
滋賀県人なら食べ慣れている鮎。頭からガブリです。

<茄子、鰻、イチジクのあんかけ>
茄子と鱧みたいに切られた鰻は分かりましたが
イチジクは意外でしたが美味しかったです。
あんかけの食感が合わせやすいという事でしょうか?

<私がお土産用に持って来たゲンゴロウの鮒鮓>
話の流れで、私の鮒寿司もご主人に切ってもらえばどうか?となりました。
私は恐れ多い事と思いましたが、冨田さんが交渉して下さり
切って頂きました。
私は薄くきれいに切る為には一旦凍らせないと
上手く切れませんが、さすが本職さんです。
私の鮒寿司は徳山鮓の物とは匂い?臭い?もありますし
味も癖があります。しかも頭側と尻尾側では
酸味の強さにムラがありましたね。まだまだです。
ただ、良いように解釈しますと、
藤本様は鮒寿司を初めて食べるにあたって
かなり期待を持ってワクワク楽しみにされていた様です。
そのワクワクの中身は噂に聞く臭いや味はどんなものだろう!
といったものだったと思います。
ところがあまりに徳山鮓の鮒鮓が抵抗感の無いものだったので
?となられたようでした。その後の私の鮒寿司でしたので
ツーステップを踏んで世間で言う鮒寿司も体験されたのではなかろうか?
と解釈してみました。

<氷魚と海苔とキノコの鍋>
氷魚とは鮎の小さい時の名です。キノコの名前聞きましたが
忘れました(^_^;)
それから鰻茶漬け、
最後のデザートは以前食べた発酵飯のアイスでした。
うかつにも写真を撮るのを忘れました。腹一杯で気も緩んでしまいました〜。
話はこちらに続きます ==> 徳山鮓 地産の付加価値の高め方
<内部リンク>
徳山鮓 予約と予習
冨田酒造での試飲会
2010年9月19日
先日の事です。
WFFC(世界鮒寿司友の会)のフランス支部長の藤本さんが
業務の一環で帰国されるのに併せて、オフ会とあいなりました。
その件について一ヶ月前くらいから何度かメールでやり取りしていく中で
私が滋賀の地酒を紹介したところ、藤本さんは大変興味を示されました。
そして、蔵元さんを一人でもいいので紹介して頂けないか?
という依頼をされました。
私は普段は全く酒を飲みませんし、仕事でもプライベートでも
残念ながら蔵元さんとのお付合いはありませんでした。
しかしながら、たまたまWFFCの会員さんに冨田酒造の蔵人さんの
池島さんが入会されてましたので、早速池島さんに相談をしました。
そうしたところ、冨田酒造の専務に話が伝わって
対応していただける事になりました。

<WFFCで繋がった人間関係の一部>
酒について全くの部外者が酒のプロを繋げる、、、
とても不思議な感じがしました。
当日は、少し早めに冨田酒造に向かい
まず専務の冨田さんに初対面し、二人で藤本さんご一行を迎えました。
藤本さんが経営されているフランスの日本食料店KIOKOは
食材の仕入れを本社の吉田商事から輸入する形を取っています。
そういった関係で本社の営業部の欧米担当の2名と、
日本の食材をフランス人に輸出していく担当の方が同行されました。
一通り蔵の中の案内や製造工程の説明などを受けた後
冨田酒造の銘柄、『七本鎗』の試飲となりました。
日本酒の原料となるお米は「山田錦」が有名ですが
冨田酒造では「玉栄」という品種での酒造りに力を入れておられます。
藤本さんご一行も「玉栄」で作った酒に強い興味を示されていました。
私は初めて酒の試飲の現場に立ち会う経験をいました。
酒にまつわる専門的・技術的な言葉は分かりません。
しかし、藤本様が商品を選択するにあたり「どの酒が好きか?」
との問いに対し皆さんが好き嫌いの判断を下し、その理由などを
話されているのを聞くのは大変面白いものでした。
藤本さんの「女性に例えた酒の味わいの表現」がとても分かりやすく
また面白く、私も飲んでみたいなぁと思ってしまったのでありました。
結果、以下のお酒を選定されました。

<藤本様一行が選定された冨田酒造の七本鎗>
今後の展開は私には何も分かりませんが、交渉などがうまく進んで
実際にフランスで滋賀の地酒が並ぶようになり、フランスの方々が
喜んで「七本鎗」は美味しい!と叫ぶような事になれば面白いですね〜。
<内部リンク>
鮒寿司はさておき、滋賀の地酒はフランスでもウケるのではないか?
<外部リンク>
フランスの日本食料店KIOKO
2010年9月14日
「鮒寿司の乳酸菌で一攫千金」の話の続きです。
何百とある種類の中から日清食品が見つけた
NLB163株というのは成人病などの予防に効果があるとされる、
コレステロール低減の機能性をもった乳酸菌として発見された物だそうです。
(ちなみにこのNLBとはNissin Lactic acid Bacteria 日清の乳酸菌の頭文字らしいです)
2006年時点ではマウスによる動物実験の結果でしたが
2009年には人による実験で確認がされています。
自然界(通常の食環境)では色んな菌が雑多に混じった状態で
私たちは食品を口にしています。鮒寿司も自然発酵による、
色んな菌の混じった発酵によってできた食品です。
そのような食品から特定の菌を抽出して、
機能性食品として利用する場合には
毒性試験などをしっかりして安全性を確認するそうです。
以前お話を伺った滋賀県工業技術総合センターの
岡田さんも以下のような事を言っていました。
人工的に作った物質ではなくて、元々自然界にあった物を
口にしているわけだから問題ないようにも思うけれど、
それでも特定の機能の為に食品の中の一種類の菌を取り出して
使うのは、怖いから必ず安全性の確認試験をします、
との事でした。
ちなみにその毒性試験だけで数百万の費用がかかるらしいですね。
さらにその機能、例えば血圧やコレステロールなどに関して
効果があるとうたった食品を販売しょうする為には、
厚労省が許認可する「特定保健用食品」の認定を受けないといけません。
この認定を取る為には数億の費用がかかるという事なんですね。
個人や小規模事業者は
手出し無用の世界ですね。
宝探しを夢見た人々は夢破れたり〜です。
ただ、そういった莫大な費用を使って
食品の機能を国に保証してもらうことと
商品が爆発的に売れるというのは別問題ですね。
また花王エコナのような問題もありました。
とまぁ、産業のサイドから
鮒寿司の関わりについての話の第二弾を話してみました。
ちなみに第一段は今年の4月に書いた水産試験場の記事です。
そちらも関心のあります方は下記にリンクを記します。
<内部リンク>
鮒寿司の乳酸菌で一攫千金の話
滋賀県工業技術総合センターで伺った話 ==> 乳酸菌には植物性も動物性もない?
水産試験場の記事 ==> 琵琶湖は既に日本一デカイ養殖池となっていた
<外部リンク>
日清食品による 動物実験の結果
日清食品による 人による実験で確認
特定保険用食品花王エコナの記事