podcast 53 鮒寿司の乳酸菌で一攫千金の話

2010年9月14日

(↓黄緑色の三角をクリックすると音声が流れます)

今回は以前メルマガ、これは鮒寿司の壁新聞というのを発酵してるんですが
そのメルマガに頂いたコメントについて話をしたいと思います。
ハンドルネーム亮さんという方から頂いたコメントなんですが

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2006年06月19日
滋賀県草津市にある日清食品 食品安全研究所が
滋賀県特産の
伝統発酵食品「ふなずし」から
新規コレステロール低減乳酸菌NLB163株を発見

という記事についてどう思いますか?

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というコメントです。

私が知っている範囲でお話したいと思います。
生物学者でもなんでもないので、一般的な話しかできませんが
その辺は勘弁して下さいね。

まず、ヨーグルトなどの乳製品の乳酸菌の話をしたいと思います。
ヨーグルトは種菌を牛乳にいれて繁殖させていく方法なので、
ヨーグルトに適した乳酸菌というのはラクトバチルス属の何々とか、
だいたい種類が特定できているらしいんですね。

種菌以外の菌が混じると発酵が上手く仕上がりませんから
菌の繁殖には管理が必要になります。そのような背景で、
乳製品の乳酸菌ついては早くからが研究がされて、
データも蓄積されてきました。酒などもそうですね。

しかしながら鮒寿司の乳酸菌はそうではありません。なぜかと言うと、
鮒寿司は漬物と一緒で種菌を増殖させるのではなくて自然発酵です。

食品に元々ついていた菌や、桶、一緒に付けるご飯
そして空気中に浮遊する菌が勝手に付着して増殖しますので、
その都度環境によって繁殖する菌の度合いが少しずつ違うらしいのです。

また、そのような自然発酵ですから、
特に厳密な製造方法をとらなくても、そこそこの鮒寿司はできます。
どんな素人さんだって鮒寿司の発酵はできるのです。

学問的な目が入ったのも最近らしいですね。
まだまだ手つかずの宝の山かガラクタの山か分かりませんけど、
発見も研究もされていない菌が沢山あるのだそうです。
ということで一攫千金を狙っている人々も参入して
研究にしのぎを削っています。

それは近年の健康ブームも影響があるようです。健康と食品については
石川県の工業試験場のサイトになりますが、分かりやすく説明した記事があります。
下記に紹介したいと思います。

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食品には3つの役割(機能)があります。「栄養」、「おいしさ(嗜好性)」、
そして3つめは「病気の予防」の機能です。現代は「栄養」や「おいしさ」が
充分満たされた飽食の時代となり、私たちの関心は、食べ物、食べ方を工夫して
生活習慣病などを予防することに移ってきています。

この関心を満たすために、「機能性食品(functional foods)」という言葉が生まれました。
コンセプトは「生理系統(免疫、分泌、神経、循環、消化)の調節によって
病気の予防に寄与する新食品」であり、いわゆる「医食同源」の考えに依っています。
厚生労働省は平成13年4月、健康食品のうち、一定の条件を満たすものを
「保健機能食品」と称して販売を認める制度を作りました。これが一般に機能性食品と
いわれるものです。保健機能食品には、厚生労働省が許認可する「特定保健用食品」と
認可審査のない「栄養機能食品」の2つがあります。これまでに、血圧に関するもの、
おなかの調子を整えるもの、歯の健康に関するもの、血糖値に関するもの、コレステロール、
ミネラル、中性脂肪に関するものなどたくさんの食品が販売されていますが、
保健機能食品は医薬品とは異なり、あくまで疾病の予防、生体の調節手段として、
健常な人に長期間食される食品です。
「機能性食品」という言葉は、日本が提唱したもので、今や欧米など世界中で関心がもたれています。

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ここで言われている機能性ですが、
鮒寿司について言えば自然発酵によって増殖する乳酸菌、
その種類は何百とかになるそうなんですが、
とりあえずそれらの菌を沢山集めて、一つ一つ
その菌の特性を調べていく訳です。

続き==> 鮒寿司と日清食品の関係

<内部リンク>
鮒寿司の壁新聞の配信を希望の人はこちら ==> 鮒寿司の壁のメールマガジン登録
ラクトバチルス属とかについて書いた記事はこちら ==> 鮒寿司の乳酸菌とは何ぞや?
素人さんだって鮒寿司の発酵はできる、の記事はこちら ==> 安くて美味しい鮒寿司の作り方

<外部リンク>
石川県の工業試験場のサイト

夏バテ対策に納豆鮒寿司茶漬け

2010年9月12日

まだまだ暑い日が続きますね〜
皆さんお元気ですかぁ〜?

今回は、夏バテ対策料理を自作して食べてみました。

以前も紹介した「納豆鮒寿司茶漬け」です。

<夏なのに熱々のお湯をかけて食します>

<夏なのに熱々のお湯をかけて食します>

納豆は市販されている通常の納豆です。

納豆を予めできる限りかき混ぜて、ネバネバを増やしてから
ご飯の上にドロロ〜ンと盛りつけます。その上に卓上にあった
トロロ昆布が入ったミックスフリカケをパラパラッと振ります。
そして、鮒寿司数切れを並べます。

残念ながら今回もネギが切れてていました。そしてワサビをのせて、
その上からグルグル〜っと醤油を輪を描くように垂らします。

最後は、それらの盛りつけの上からアツアツのお湯
ドドド〜と注いで出来上がりです。

二つの発酵食品の様々な栄養や旨味を
サラサラサラ〜っとかっ込みます。

ん〜〜 ウマいです!

しかし、
今回は味的にというより、見た目的に色が地味でしたね。
やはりネギの輪切りでもあれば随分見た目も変わったでしょうね。

<納豆鮒寿司茶漬け>

<納豆鮒寿司茶漬け>

さて、今回こんな料理を作りながらポッドキャストを聞いていたら
なんという偶然でしょう!発酵学者の小泉武夫さんが
日本の発酵食品について話していました。
SUNTORY SATURDAY WAITING BAR AVANTI
下の三角をクリックして頂くと音声が再生します。

[audio:http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/avanti/avanti_vol233.mp3]

podcast 52 鮒寿司の壁ポッドキャスト 祝一周年の臨時休業

2010年9月6日

(↓黄緑色の三角をクリックすると音声が流れます)

ポッドキャスト始めて52回という事で丸一年を迎える事になりました。
私は全く気にもとめていなかったのですが、聞いて頂いている方から
祝いのメーッセージを頂き、あぁ、そう言えばそうだったと
思い出した次第です。

今日まで聞いて下さった皆さまありがとうございました。これからも、
ボチボチ続けていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

生まれも育ちも札幌の女子大生が鮒寿司を美味い!と言った

2010年9月5日

<家に帰って速攻バタバタ〜っとスライス>
<家に帰って速攻バタバタ〜っとスライス>

私の地元で開催されている「長浜あざい あっぱれ祭り」という
YOSAKOI系の祭りがあります。その祭りで2004年から
交流が続いているチームがあります。

札幌のYOSAKOIソーラン祭りを拠点に全国を踊り歩く集団
北海道大学”縁”という大学生チームです。彼らは今年ゲストとして
40数名が長浜入りをしてくれました。

YOSAKOIの祭りはコンテスト形式で競争があります。
競争は切磋琢磨して互いを高め合う効果もあります。
しかし、賞はあくまで目標であると思います。
大賞を取る事が目的化してしまうと、結果人間関係がギスギスしたり
集団演技の魅力も失われてていく事になると思います。
10年私がYOSAKOIに関わって来た感想です。

では目的は何なのか?
彼らを見ていていつも感心させられるのは、とことんGive!な行為です。
縁はYOSAKOIソーラン祭りの上位チームでありながら
賞を狙う狩人の目をしていません。いつもニコやかに笑顔を絶やさず、
見ているお客さんが楽しくなるように心がけて演舞をしているように思えます。

演技をしている時だけではありません。前日の設営の手伝いや
地域を巡回する広報演舞、また歓迎会の宴席の場でも
常に何か喜びや楽しみを相手に与えようとする姿勢を感じます。
(前日の広報演舞の様子)

近江商人の言葉に、「三方よし」という言葉があります。
ある取引があった場合、その取引は売り手と買い手さえ良ければ
いいのではなく、世間も良くなるような取引でなければならない、
という意味の言葉です。また「損して得取れ」という言葉もあります。

実践は難しですが、彼らの目的はこんな言葉とも
共通する所があるのではないかと、フト思いました。

さて、祭り前日入りした彼らの歓迎会を設営準備終了後に行いましたが、
その宴席に私は鮒寿司の差し入れをしました。無い時間をぬって
速攻で帰宅して鮒寿司をスライスして盛りつけて会場に戻りました。

縁の現役メンバーと一緒に来たOBなどは既に何度か鮒寿司を
食べていますが、初対峙の人が殆どで会場に大皿を2枚持ち込んだ時は
「お〜っ!」というドヨメキが起こりました。

恐る恐る切り身を摘む縁のメンバー。当然こういった発酵系の
食べ物を全く受け付けない人もいますが、概ね好印象で迎えられました。
中には「う〜まぁ〜い!」と叫ぶ女子大生もいて
ファーストコンタクトがこのように順調にいくとは、ちょっと意外な程でした。
出身を聞くと生まれも育ちも札幌との事。
道産子に鮒寿司を喜んで食べて頂いて、私は幸せでした(^_^)

<外部リンク>

あっぱれ祭り

podcast 51 鮒寿司の五大要素の一つ、お米の話から

2010年8月30日

(↓黄緑色の三角をクリックすると音声が流れます)

鮒寿司の五大要素って勝手に名付けていますが
鮒・ご飯・塩・水・気象環境は鮒寿司作りに
とても重要です。

人口減少傾向の日本にあって、滋賀県は2030年くらいまで
人口が増加していくと言われています。しかし、それは関西圏に近い
南部の方の話で、私の住んでいる北部では少子高齢化や
過疎化が問題となりつつあります。

統計データだけを見ると
滋賀県ってとんでもなく豊かな県らしいんですね。

県民所得ランキングって知っていますか?
滋賀県って、常にベスト5、6位くらいの位置にいるんですね。
東京、愛知、大阪、神奈川、これらはまぁ想像できますね。
そんで、その次くらいがいつも滋賀なんですね。

総人口は140万人くらいです。滋賀県全部で
名古屋市、大阪市、横浜市など各市と比べても
まだ人口は少ないんですよ。

県全体でそんな人口規模ですから
100万都市のような大きな都市もありませんし、
大企業の本社が集まっている訳でもありません。

確かに交通の要所ではありますので高速道路、
JR東海道線、また国道沿線などには
大企業の工場などが沢山あるのは確かですね。

でも、
どういった事が県民所得が多い理由としてあるのか?
他の県と、根本的な違いは何なのか?
納得できる説明を聞いた事がありません。
不思議です。

どなたか、ご存知の方おられましたら教えて下さい~

ただ、その事にちょっと関連してなのですが、
以前に長浜城歴史博物館の学芸員の太田さんに
話をうかがう機会がありました。

太田さんは県北部の戦国時代を専門に研究されています。
商工会の活動の一環で来年のNHK大河ドラマに関連して
お話を伺ったのです。

戦国時代の当時でも近江(滋賀県ですね)の村落は
経済的に豊かで力を持っていたようなんですね。

村落の力が強いと自治権もそれなり持つようで、
そうすると戦国大名も権力を集約しにくく、
勢力を拡大しにくい地域だったようです。
村落が強いとは、つまり穀倉地帯だったようなんです。

その穀倉地帯がどのくらい凄かったかなのですが、
江戸時代の統計では近江だけで米の石高が80万石あったそうですね。
一石は千合でおおよそ一人の人間が一年間食べる量とされています。
当時近江では80万人の人口を養えるだけの米の生産高があったということですね。

これは陸奥の国についでの石高らしいのです。
その陸奥は今の東北地方に相当する範囲ですから、
如何に小国近江の米の生産高が高かったかが分かりますね。

話を鮒寿司に結びつけて、続けてみますと
何千年もの歴史のある鮒寿司ですが、
それは稲作と共に魚を保存する技術として
大陸から伝わってきました。

鮒を保存する為には大量のご飯を必要とします。
とても贅沢な保存方法ですので、どんなに魚が多く捕れても
米の生産が低い地域では、あり得ない利用方法だと思います。

お米の使用が負担にならない程度に
昔からお米の生産量は高かったのかもしれません。

この豊かな環境が長い間、滋賀の人々の暮らしを支えていたでしょう。
その延長上に今があるのも間違いありません。

さて、これからはどうなのでしょうね。
私はまだまだ、とんでもない可能性のある地域ではないかぁと
思っていますが、いかがでしょうか?

<内部リンク>
湖里庵の女将さんに話を伺って、その後
色々考えた記事はこちら
鮒寿司の5要素の「塩」から、滋賀の地理について思いを広げる

<外部リンク>
その中のお米の話
長浜城歴史博物館の太田参事に伺った話の内容
雑談あざい三姉妹その1 
雑談あざい三姉妹その2 
雑談あざい三姉妹その3