鮒寿司と日清食品の関係
2010年9月14日
「鮒寿司の乳酸菌で一攫千金」の話の続きです。
何百とある種類の中から日清食品が見つけた
NLB163株というのは成人病などの予防に効果があるとされる、
コレステロール低減の機能性をもった乳酸菌として発見された物だそうです。
(ちなみにこのNLBとはNissin Lactic acid Bacteria 日清の乳酸菌の頭文字らしいです)
2006年時点ではマウスによる動物実験の結果でしたが
2009年には人による実験で確認がされています。
自然界(通常の食環境)では色んな菌が雑多に混じった状態で
私たちは食品を口にしています。鮒寿司も自然発酵による、
色んな菌の混じった発酵によってできた食品です。
そのような食品から特定の菌を抽出して、
機能性食品として利用する場合には
毒性試験などをしっかりして安全性を確認するそうです。
以前お話を伺った滋賀県工業技術総合センターの
岡田さんも以下のような事を言っていました。
人工的に作った物質ではなくて、元々自然界にあった物を
口にしているわけだから問題ないようにも思うけれど、
それでも特定の機能の為に食品の中の一種類の菌を取り出して
使うのは、怖いから必ず安全性の確認試験をします、
との事でした。
ちなみにその毒性試験だけで数百万の費用がかかるらしいですね。
さらにその機能、例えば血圧やコレステロールなどに関して
効果があるとうたった食品を販売しょうする為には、
厚労省が許認可する「特定保健用食品」の認定を受けないといけません。
この認定を取る為には数億の費用がかかるという事なんですね。
個人や小規模事業者は
手出し無用の世界ですね。
宝探しを夢見た人々は夢破れたり〜です。
ただ、そういった莫大な費用を使って
食品の機能を国に保証してもらうことと
商品が爆発的に売れるというのは別問題ですね。
また花王エコナのような問題もありました。
とまぁ、産業のサイドから
鮒寿司の関わりについての話の第二弾を話してみました。
ちなみに第一段は今年の4月に書いた水産試験場の記事です。
そちらも関心のあります方は下記にリンクを記します。
<内部リンク>
鮒寿司の乳酸菌で一攫千金の話
滋賀県工業技術総合センターで伺った話 ==> 乳酸菌には植物性も動物性もない?
水産試験場の記事 ==> 琵琶湖は既に日本一デカイ養殖池となっていた