podcast 51 鮒寿司の五大要素の一つ、お米の話から
2010年8月30日
(↓黄緑色の三角をクリックすると音声が流れます)
鮒寿司の五大要素って勝手に名付けていますが
鮒・ご飯・塩・水・気象環境は鮒寿司作りに
とても重要です。
人口減少傾向の日本にあって、滋賀県は2030年くらいまで
人口が増加していくと言われています。しかし、それは関西圏に近い
南部の方の話で、私の住んでいる北部では少子高齢化や
過疎化が問題となりつつあります。
統計データだけを見ると
滋賀県ってとんでもなく豊かな県らしいんですね。
県民所得ランキングって知っていますか?
滋賀県って、常にベスト5、6位くらいの位置にいるんですね。
東京、愛知、大阪、神奈川、これらはまぁ想像できますね。
そんで、その次くらいがいつも滋賀なんですね。
総人口は140万人くらいです。滋賀県全部で
名古屋市、大阪市、横浜市など各市と比べても
まだ人口は少ないんですよ。
県全体でそんな人口規模ですから
100万都市のような大きな都市もありませんし、
大企業の本社が集まっている訳でもありません。
確かに交通の要所ではありますので高速道路、
JR東海道線、また国道沿線などには
大企業の工場などが沢山あるのは確かですね。
でも、
どういった事が県民所得が多い理由としてあるのか?
他の県と、根本的な違いは何なのか?
納得できる説明を聞いた事がありません。
不思議です。
どなたか、ご存知の方おられましたら教えて下さい~
ただ、その事にちょっと関連してなのですが、
以前に長浜城歴史博物館の学芸員の太田さんに
話をうかがう機会がありました。
太田さんは県北部の戦国時代を専門に研究されています。
商工会の活動の一環で来年のNHK大河ドラマに関連して
お話を伺ったのです。
戦国時代の当時でも近江(滋賀県ですね)の村落は
経済的に豊かで力を持っていたようなんですね。
村落の力が強いと自治権もそれなり持つようで、
そうすると戦国大名も権力を集約しにくく、
勢力を拡大しにくい地域だったようです。
村落が強いとは、つまり穀倉地帯だったようなんです。
その穀倉地帯がどのくらい凄かったかなのですが、
江戸時代の統計では近江だけで米の石高が80万石あったそうですね。
一石は千合でおおよそ一人の人間が一年間食べる量とされています。
当時近江では80万人の人口を養えるだけの米の生産高があったということですね。
これは陸奥の国についでの石高らしいのです。
その陸奥は今の東北地方に相当する範囲ですから、
如何に小国近江の米の生産高が高かったかが分かりますね。
話を鮒寿司に結びつけて、続けてみますと
何千年もの歴史のある鮒寿司ですが、
それは稲作と共に魚を保存する技術として
大陸から伝わってきました。
鮒を保存する為には大量のご飯を必要とします。
とても贅沢な保存方法ですので、どんなに魚が多く捕れても
米の生産が低い地域では、あり得ない利用方法だと思います。
お米の使用が負担にならない程度に
昔からお米の生産量は高かったのかもしれません。
この豊かな環境が長い間、滋賀の人々の暮らしを支えていたでしょう。
その延長上に今があるのも間違いありません。
さて、これからはどうなのでしょうね。
私はまだまだ、とんでもない可能性のある地域ではないかぁと
思っていますが、いかがでしょうか?
<内部リンク>
湖里庵の女将さんに話を伺って、その後
色々考えた記事はこちら
鮒寿司の5要素の「塩」から、滋賀の地理について思いを広げる
<外部リンク>
その中のお米の話
長浜城歴史博物館の太田参事に伺った話の内容
雑談あざい三姉妹その1
雑談あざい三姉妹その2
雑談あざい三姉妹その3
滋賀県内でうまい鮒寿司は、どこにありますか?
明さんの鮒寿司も食べてみたいです。
jackさま
コメントありがとうございます。
正直、私は自分で漬けてますのでわざわざ市販の
ものを買って食べる機会は少ないです。ですから、
そう食べ比べができている訳ではありません。
また冠婚葬祭やイベントなどで食べる機会があっても、
それは自家製の場合が殆どです。
それから、以前参加した「手作りフナズシ品評会」でも
思いましたが、うまいの感覚は千差万別です。
やはり実際にうまい鮒寿司に出会うには
自分の舌で確かめるのが確実ですよ。
それと、食べる時の雰囲気でも感じるうまさは
違うように思います。
是非開拓して頂きたいと思います(^_^)
私の鮒寿司の件ですが、年末年始ごろに
鮒寿司オフ会の第二弾をやれればなぁと考えています。
(まだ思いつきの段階で何も決まってませんが)
時期が迫ったら、ご案内できればと思っています。
よろしくお願いします。