「鮒寿司の塩」について年末に頂いたコメントから
2012年1月2日
昨年末に「鮒寿司の塩」についてコメントを頂きました。
鮒寿司と塩については以前から色々と考えてきました。
また、手作りフナズシ品評会に参加したり
鮒寿司の専門店に出掛けて食べてみたり、
鮒以外のナレズシを食べてみたり…などなど、
数は少ないですが実際に多様な鮒寿司、ナレズシを
食べてみました。
そのような体験から、確かに塩の効き具合が程よく感じられて
美味しいと思う鮒寿司もありますが、世間全般の傾向として
減塩に向かっているのをヒシヒシと感じています。
また、和歌山県新宮市のさんまのナレズシを食べに行った時に
ご主人から以下のようなの話を聞きました。
熊野川周辺という、あまりお米のとれない地域では
発酵材としてだけでなく貴重なご飯そのものも食べられるような
ナレズシを作るようになっていったのだそうです。
ご飯を捨てずに沢山食べようと思うと、あまり塩辛い飯では食べられないから、
塩は薄めになっていったのは自然な流れでしょうとのお話です。
この考え方を私も大切にするべきと思います。
以上のような思いもあって、昨年は試しに
講習会で習った漬け方ではなく、
塩をマジナイ程度にしか使わない飯漬けをしてみました。
塩分は塩漬け時に使用された塩のみを利用する事になりますが、
塩切り鮒の水洗いでは塩蔵で熟成された旨味成分も洗い流してしまわぬ様に
丁寧に洗いつつも流水ですすぐのは短時間で済ませるよう心がけました。
後はいつもと同じです。
そして12月13日の開封。
塩味を押さえた鮒寿司が出来上がりました。
滋賀県工業技術総合センターで伺った話では、塩分濃度の違いでも
活躍する乳酸菌の種類は違ってくるとの事でした。
乳酸菌の種類が違う事で生成される物質が違ったとしても、
私はその違いを味覚で感じる事は出来ませんでした。
メルマガ57号でも報告しましたが、上出来です。
ただ、もう少し熟成を加えた方が私の好みな鮒寿司になりそうです。
食べごろは1月後半以降でしょうか。
この話は続きます。
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