「鮒寿司アイス」 ああ、今回も乳等省令をクリアできないか…

2012年1月3日

<2011年 東京ギフトショー>

<2011年 東京ギフトショー>

2010年から取り組み始めた鮒寿司アイスですが、
乳等省令というのがありまして、アイスクリームとして
製造された食品中の1g辺り乳酸菌以外の一般細菌は
1 x 10^5(10の5乗 = 10万)以下でなければならないと定められています。

鮒寿司アイスの商品化を現実の物とする為には
この基準値を下回る発酵飯を作らないといけません。
味も評判の良いアイスの試作品は出来ましたが、
原料となる発酵飯の一般細菌の数値を下げるのが難しいです。

一昨年分は発酵飯を冷凍保存して1年もの、2年もの2種類、
3年もの、そして鮒寿司先生の近藤さんの発酵飯の
計5種類で日本食品分析センターで分析依頼をしました。

<日本食品分析センター 名古屋支所>

<日本食品分析センター 名古屋支所>

その結果は発酵の年数に関わらず、私の発酵飯は10万という数値を切る事が
出来なかったのですが、近藤さんの発酵飯は550というとても低い数値でした。

一昨年までは作業前には石けんで手洗いをして素手で作業をしていました。
そうすると、いくら手洗いをしたとしても手のひらの常在菌が
鮒寿司に移るのかもしれないと思い、昨年は全て手袋をして作業をしました。
(近藤さんは素手で作業をされていたと思います)

さて、
昨年十二月中旬に開封した桶の発酵飯を分析センターにおくりまして、
その結果が年末ギリギリに届きました。

鮒やご飯には素手で接触をしていないにも関わらず、
昨年漬けた発酵飯も細菌数が一昨年とほぼ同じという結果が出て、
ガッカリしています。(ホントにガッカリ)

しかしながら、以上でわかった事は、
作業を素手で行うか手袋を付けるかでは一般細菌数の量は
さほど差がでないという事。けれども近藤さんの発酵飯が示したように
乳等省令の基準値内の発酵飯を作る事のは可能だという事です。

<日蔭干し>

<日蔭干し>

さぁて、では何がその細菌数の差を生む条件なのか?

今までの経験を踏まえ、仮説として考えられるのは
塩きり鮒を水洗いした後の乾燥行程にあるのではないか、
という事です。

私は昨年、一昨年と水乾燥作業は日蔭干しで行いました。
近藤さんは天日干しを行っているとのことですので
その差が違いに出たと仮定してみます。
紫外線に当たる事で受ける影響があるのかもしれません。

という事で、今年は天日干しをして確かめてみようと思います。
まだ諦めませんゼ。

しかし…
一年に一度しか確認できないなんて、
何という効率の悪さ。

真夏の気温を再現できる冷蔵庫大の保温庫があれば
もう少し時間を短縮して確認作業が出来るのになぁ〜と
思うのですが、そんな都合の良い物があるのでしょうか。

え?なぜそこまでこだわるかって?

それは、
鮒寿司アイスの試作品のウケがあまりに良かったから、
というのもあります。でもそれ以上に、
乳等省令もクリアするような発酵飯が出来たなら、
その中で熟成されている鮒寿司て、
旨味成分だけを凝縮した純な鮒寿司になるのでは、
と思うんですねぇ〜。

 

【追伸】
一般細菌数が1 x 10^5〜10^6、つまり1gあたり10万〜100万という
数値に驚かれる方もおられるかもしれませんが、
常在菌として人間の皮膚には1平方センチあたり
その程度の菌が生息しているのだそうですし、
量の規模としては驚くような単位ではありません。

また、大腸菌やサルモネラ菌の検査もしていますが
それらの菌は不検出の結果が出ています。

私はその鮒寿司を何度となく食べていますが、
鮒寿司が原因で体調が悪くなった、または悪くなるような
気配がしたなどという経験は一度もありません。
ですから、驚かないで下さいね。

県の保健所でも鮒寿司に関しては漬物と同等の扱いで
特に規制されている項目もありません。
しかし、アイスクリームとなると基準が厳しく、
そう簡単にはいかないんですね〜。

色々と応援して頂いている皆さん
お待たせてしてしまって、本当に申し訳ないです。

<内部リンク>
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<外部リンク>
常在菌と!、サラリーマンサバイバル、ビジネスマン、注意

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