鮒寿司を供える神事 下新川神社「すし切り祭り」に健康長寿への願いを感じました
2010年5月6日
毎年5月5日に開催されるという
「すし切り祭り」を見に行ってきました。
この祭りの存在は菌神社を調べていたときに
派生的に知りましたが
「へぇ〜そんな祭りがあるのかぁ〜」
知ってしまった以上は行かない訳にはいきませんね。
幸運にもこのことをtwitterで呟いていたところ、
色々と詳細な情報を教えて頂く事ができて、
何かと有意義な一日を過ごす事が出来ました。
情報を頂いたm-fat(モファ)についても、色々と書きたい事がありますが、
それは、また改めるとして「すし切り祭り」について話を進めます。
「すし切り祭り」の神事が行われる下新川(しもにいかわ)神社は
守山市幸津川(さづかわ)町にあります。
集落内を歩いてみると、家の構えがどこも立派で
手入れが行き届いています。昔から農業や漁業などで
経済的に豊かな集落だったのではないかなぁと思いますね。
道路に掲示された住宅案内地図看板から想像すると
防災意識やまちづくりの意識も高いようにも思います。
広告看板ではなく、自治会で作られた看板のようです。
個人情報云々が色々と言われている現在ですが、
逆説的に個人を守っていくヒントが
この看板にあるように思いました。
この辺りは天台宗のお寺だそうです。
守山という名前は、天台総本山延暦寺の
四境を守る為の東門が守山の地に設けられ、
その門が始まりとされる東門院守山寺が
市の名前の由来とのことです。
神仏への信仰心も厚い地域のように思います。
この話は後半で。
さて、
下新川神社ですが拝殿の床が土間(石貼りだったかな?)で
大陸っぽいデザインだなぁと思いました。
私の住む湖北の神社の拝殿の床は
板張りが殆どだと思いますから、珍しく思いました。
瓦葺きというのも珍しいのでしょうか?どうでしょう。
見に来ておられる方は取材関係者もおられましたが
観光客というよりは地元の方やその親戚の方が多かったように思います。
生まれたばかりの子供から青少年、壮年、老人まで集落全員参加の祭り
といった感じがしました。
そうは言いつつも、他所者に閉鎖的な印象は受けません。
ただ、信心深い方々による地元の神さんの祭りですから、
よそ者が神事の最中に着帽のまま境内を歩くと、
脱帽するよう言われますし、
敷かれたムシロを土足で横断しようとした人が
大声で怒鳴られたりもしていました。
事前放送などはいっさい無く、そんなことも知らんのか!と
いきなり「どやされる」感じは、むしろ好感が持てました。
いい年した大人が何人か注意を受けていました。
祭りが始まる前の境内で地元の方に聞いたところ
下新川神社の氏子は軒数二百軒で千人位だろうかとの事でした。
寺社ごとを維持していくのは大変ですが、地域の地力というか
エネルギーをバンバン感じる、そんな集落です。
切られた鮒寿司は境内にいる人に振る舞われましたので、
私も頂きました。本音を言いますと、多分すし切り神事用に
見栄えの良い大きめの鮒で、しかも肉厚が5mm程度ありましたので
皮が少し固く感じられ、なかなか噛み切れませんでした。
料理用ではなく神事用の切り方ですから仕方がないのかもしれません。
味は美味しかったです。
昔の人は鮒ではなく発酵した鮒に健康増進に繋がる不思議な力を
感じとり、生まれたばかりの子供からお年寄りまでの全ての人が、
その力に神の威光を重ねて、健康と長寿を願ったのかもしれません。
さて、祭りのクライマックス終了後にお世話になった東光寺へ
帰りましたが、そこで興味深い話を伺いました。
元々は下新川神社にあった地蔵堂を明治の廃仏毀釈によって
現在の地に移されたそうですが、仏像の大修復と御堂の再建を
されたときに、仏像の中から魚のミイラがでてきたそうです。
元々は下新川神社にあった地蔵さんだそうですから、
どう考えたって鮒のミイラだと思いますよね〜。
最後にすし切り祭りの動画を掲載しておきます。1〜4まで
合計で32分程ありますが、よろしければご覧下さい。
<内部リンク>
・菌神社って知っていますか?
<外部リンク>
・m-fat(モファ)
貴重なこの神社の包丁式を余すところなく拝見させていただきました。
女性が主役とは思いも寄らないことでした。
有難うございました。
橋本様
コメントありがとうございます。
彼らは髪は長いですが、この地域の高校生の男子なんですよ。