琵琶湖の漁師さんの意見から – 鮒寿司を考えてみよ〜

2010年11月23日

今回はある本を紹介したいと思います。

以前、南郷水産センターでM.O.H通信の辻村さんから
紹介頂いた、守山漁協の戸田さんですけれども、
お話し頂いた内容や、活動しておられる事を聞いて
以前どこかで聞いた事が、、、、と思いましたが
思い出せません。

「以前長浜のタウン誌に載った事はありますか?」
と尋ねましたが、そんな事は無いとおっしゃいます。

漁師の方が琵琶湖の環境について発表している記事か何かを
読んだ記憶があり、しかも何となくそれは
戸田さんではなかったか?と直感的に思ったのですが
記憶が定かでありません。それで話はそこで終わりました。

ところが、ふとしたことで
わたし琵琶湖の漁師です』という本を見つけました。
著者の欄に戸田さんの名前を見つけて
ああ、やっぱり!と思いました。


早速読んでみると、南郷水産センターで話されていたのと
同じ語り口調の文体で書かれていて、あぁ、あの戸田さんだ
と思いました。

本の中身は琵琶湖の漁や魚の紹介や、自分の話、
そして外来魚の問題の話などが語られています。
ニゴロブナ以外の琵琶湖で獲れた魚の
ナレズシの話も出ています。
10年前から実践されているんですねぇ。

私はいつ頃からブルーギルブラックバスを認識しだしたのか?
これも記憶は定かではありませんが、戸田さんの本によると
ブルーギルを初めて見たのは18年ほど前と書いています。
2001年に原稿を書かれた様ですので、1983年頃ですね。
ブラックバスを見かける様になったのはそれから
4〜5年後からだそうです。

戸田さんは
〜 北湖のバスの腹には、わしらが漁をするアユやホンモロコが詰まっています。
「お前ら、オレらと同じ舌持っとんのか。食うて美味しいの、分かるんかい!」
思わず、こういいたくなります。
 〜
と語っています。

戸田さんはバス擁護論に対しては激しく反対論を展開されていますが
生活がかかっているので当然の事と思います。
逆にバス擁護論からも激しい反論もあります。

これらは一見、生活者と趣味者との見解の相違の様に見えて
そうではなく、やはりこれは両者の背後に
経済を背負っているので激しくなるのだと思います。

勿論、琵琶湖の在来魚が激減している原因は
外来魚が在来魚の稚魚を食べてしまうだけではありません。
圃場整備や護岸工事で在来魚の産卵場所が減ってしまったも
要因と言われています。

琵琶湖は、特に湖北から見る琵琶湖は
対岸が霞むくらいにとても大きく、自然の雄大さを感じます。
しかし、そんな大きな琵琶湖でさえ人間は飲み込んでしまっています。
人間の管理なしに今の琵琶湖のを維持することは不可能な状態です。
その意味では、ブラックバス以上に貪欲で
何でも飲み込んでいくのが人間なのかも知れませんが、、。

その琵琶湖が「ラムサール条約(特に水鳥の生息地として
国際的に重要な湿地に関する条約)」の指定を受けています。

ラムサール条約については、戸田さんはこんな事を
書いておられます。
〜 「古代から代々おこなわれてきた漁業は賢明な利用の仕方である」と
書いてあるんですわ。 〜 私は「琵琶湖の漁業はこれや」と思いました。
「待ちぼうけの漁」は琵琶湖漁師の賢明な知恵やったんです、魚を絶滅させず、
漁師も一緒に生かしてもらう知恵、広くて狭い琵琶湖で魚と仲良く
暮らしていく知恵なんです。
 〜

日本は成長経済から成熟経済へと移行していると言われますが、
その経済モデルを多くの人がイメージ出来ずにもがいています。

そんな中、持続可能な経済とか?そんな問いかけに対して
M.O.H通信の辻村さんや守山漁協の戸田さんと
繋がったのかのかなぁと、フと思いました。

<内部リンク>
南郷水産センターでの話はこちら ==> 琵琶湖産の魚のナレズシ、県外産の鮒のナレズシ

<外部リンク>
M.O.H通信
ラムサール条約

Comments (2)

西川喜久男11月 28th, 2010 at 5:19 PM

こんにちは、鮒ずしっていいですね~!
今朝の中日新聞ご覧になりましたか?血圧降下作用があるんですね!
先日、長野の知人が大の鮒寿司ファンだと聞いてお土産にしました。
産直びわでスライスした2000円のものしかなかったのでフタバヤまで
足を伸ばし2500円のものを2匹お土産用に包んでもらってきました。
でも高いですね自分用には買えません。
昔は母も漬けていましたが鮒そのものが高いので50年くらい前から
わが家から鮒寿司は消えました。樽はまだ残ってますけどね!

冨岡11月 28th, 2010 at 5:19 PM

コメントありがとうございます。
血圧降下作用については以前こんな記事を書きました。

50年も前から消えてしまったのですか?
うちでも1980年代までは漬けていましたが、
それ以降から3年前までは絶えていました。

知人の家でも概ねそういう傾向ですが
最近はまた復活して5キロ桶程度で
漬けておられる方も増えてきましたよ。

樽が残ってあるのならまた再挑戦されては
如何でしょうか (^^♪

コメントをどうぞ

コメント欄