天然ニゴロブナという言葉で惑わされていまいか? 鮒寿司の言葉の壁

2010年4月6日

昨年より塩切りしたニゴロブナを仕入れさせて頂いている
今津の魚清さんから連絡が入り、明日見学にいく事になりました。


より大きな地図で 鮒寿司の壁マップ を表示

ところで、
こちらはtwitterが縁で交流させて頂いているのですが、
守山野外美術展・事務局の辻村さまから以前に
以下のような内容を教えて頂きました。

『江州人』のP27〜

「フナの方言がまちまちだ。
大津、堅田方面ではニゴロブナを源五郎ブナと呼び、
源五郎ブナをヘラブナまたはヒラブナといっている。
これに対し安土から彦根以北の人々は、
源五郎ブナとニゴロとをはっきりと区別している。
しかし、一般には呼び名と実物を混同しているところが多い。」

例えばコチラ(湖北地域)でマブナと読ばれている鮒は
ニゴロブナと同じような体格のややスラッとした鮒で
別名としてギンブナとも言われる鮒を指します。
しかし、高島方面では通常のニゴロブナより大きな鮒を指すようなのです。

電話やメールではもう少し、この辺りの違いもわかりませんので
実際に実物を見ながら、色々と話を聞いてみたいと思っています。

さらに話を難しくしてみましょうか?

ウィキペディアではニゴロブナ、ゲンゴロウブナは
琵琶湖の固有種とあります。ただし養殖されたものの中で
品種改良などされたりなどして、ゲンゴロウブナは
河内ブナやヘラブナとして他地域へ拡散していきました。

ですから、岡山県産天然ゲンゴロウブナというような
表記の鮒寿司の場合は、詳細には
「琵琶湖の固有種であるゲンゴロウブナのうち養殖に成功したもので、
さらに県外に持ち出された鮒の内の一部が野生化し、
養殖ではなく、漁によて捕獲されたゲンゴロウブナの子孫」
という経歴が正しいのではないか、などと思ったりしています。

以前、ニゴロブナの養殖事業を手がけておられる
旧安土町の飯魚の社長の大島さんも以下のような事を
おっしゃっておられました。

激減したニゴロブナの数を増やすため
県では稚魚の放流を続けていますが、その影響か
ニゴロブナもどきというか亜種のような鮒を
見かけるようになりました、という話です。

県外に出て行った元固有種だけではなく、
県内でも亜種がいるらしいのですね。

さてさて、そうした場合
鮒寿司の付加価値として「天然ニゴロブナというのは
最も価値の高い鮒寿司と認識されていますが、
その天然という冠はどうも怪しくて、確固たる価値を
保証するものではないような気がしています。

琵琶湖産と言いつつも
根っからの天然と、養殖の後に放流され生き延びたものとがあり
しかもそれらは交配が進むと琵琶湖においては、近い未来に
純天然ニゴロブナなんていなくなるのでは?などと思ってしまいます。

どうですか?琵琶湖において
天然という言葉に価値が実在すると思いますか?
関連した続きの話はこちら、
琵琶湖は既に日本一デカイ養殖池となっていた

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