自然発酵から抜け出さねばならぬか

2011年9月11日

これもpodcastを聴いて思ったことです。

近年自宅でパンを焼く人が増えたそうですが、
山崎パンや敷島パンなどメーカーのパンと比べ、
黴びが生えやすいとの事。

そこから類推されるに、メーカーのパンは
防カビ材や保存料が使用されているのだろう…
と考えるかもしれません。

<自家製パンを作る菌環境ってどう?>
<自家製パンを作る菌環境ってどう?>

しかぁ〜〜し!

それは違うのだそうです。

山崎パンのHPではQ&Aコーナーで
空気中には浮遊カビがあり、焼成後の
製造環境の清浄度合や清潔度合
食パンのカビ発生に大きく影響するとしています。

逆に、カビ胞子が全く付着しないものにはカビの発生がないことから、
製造ラインをカビ胞子防除のため清掃と衛生環境の維持
努めているので、カビが生えにくいのだという事が書かれています。

なるほどぉ〜!

原理は簡単ですが、なかなかできる事ではありません。

鮒寿司は自然発酵ですから、パン工場の環境とは真逆です。
元々鮒に付着している乳酸菌や、空気中に浮遊していている
色んな菌と共に乳酸菌がご飯に付着して、発酵を始めるとされています。

ですから、一口に乳酸発酵と言ってもその他の菌も
混じりますし、その発酵内容は多種多様です。

いつも素人質問に丁寧に答えて頂いている
滋賀県工業技術総合センターからの解説では

<イメージ>
<イメージ>

(乳酸菌以外の)一般生菌数と乳酸菌の数とその割合ですが、
製造条件で異なります。漬け込み期間が短い場合や
熟成が進んでいない場合は、乳酸量が少ないので
一般生菌が優勢だったり初めに出る乳酸菌が多かったりします。

一方熟成が進み過ぎると乳酸量が3%を超えますので
そうなると乳酸菌も1,2種類に淘汰され、
一般生菌は少ないと考えられます。さらに酸が増えると、
乳酸菌も死滅しています。

(色んな鮒寿司を対象にした)私の調べでは、
(それぞれの)乳酸菌数は、1gあたり不検出〜

10の8乗オーダー(1億桁の単位まで)まで
(ばらつきが)ありました。

と、いった具合に鮒寿司の状態は千差万別なのです。
そんな発酵によって生成された発酵飯をアイスクリームの
材料にしようとした場合、乳酸菌以外の生菌数が
管理できないとなる訳ですね。

鮒寿司は自然発酵によって醸される食品の魅力もあります。
しかし、その生成物を利用した二次的な食品
作ろうとした場合、発酵を何処まで管理できるかで、
その可能性は大きく違ってくるのでしょうね〜。

うはっ、個人の領域を越えているわ!

<内部リンク>
乳酸菌には植物性も動物性もない? もちろん鮒寿司の乳酸菌も

<外部リンク>
ヤマザキからのお知らせ パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について
hideのLittleRADIO〜hideのLittleRADIO219 main

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