鮒寿司の賞味期限は、、、、、自分の舌で

2010年4月22日

以前、鮒寿司を販売しようとすると何か手続きがいるのか?
保健所に確認に行ったことがあります。

そしたら、職員さんがこんなパンフを出して説明してくれました。

<保健所で頂いたパンフ><保健所で頂いたパンフ>

地域特産食品を製造(加工)・販売される皆様へ」と題し、
許可や届出が必要な例や製造する際の製造場所衛生管理のチェックポイント、
包装された食品には表示が必であり、その表示例、
販売所のチェックポイント、
などが書かれてあります。

鮒寿司の販売には食品営業許可は必要ではないとの事。

その理由は書かれていないので、なぜですか?と聞くと
「漬け物などと同じように、簡易な加工で衛生的に長期保存が
可能な食品とみなされています」
という様な説明でした。

食品営業許可は要りませんが、業務開始報告書の提出が
必要になります。

それと
鮒寿司を真空パックで販売するとなると表示が必要になります。
商品名、原材料、内容量、製造者、保存方法などは書けますが
賞味期限、、、、これって?

「販売者の方のそれぞれの判断で決めてておられます」

「はぁ、その基準となるデータとかは無いのですか?」

「はい。食品によっては、ある細菌の数が定められた数値以下とかの
基準がありますが、こちらでは鮒寿司に関する細菌学的な基準は持っていません

「はぁ、私が決めるんですか?」

経験的にですね、外観の変化とか味ですね、何人かの舌で
確かめられて、根拠をもたれることを指導しております」

という様な説明を受けました。

実際に販売されている色んな鮒寿司を見てみると、
やはり期間にはバラツキがありますね。

え〜っ?そんないい加減な事では不安だわ!と思われる方も
多いでしょう。

ところで、最近読んでいる島村菜津さんの「スローフードな日本!」

スローフードな日本!

という本のP161に発酵文化を潰す巨大流通という章があります。

アメリカに対抗してEU統一の衛生法が強化されると
EU内のチーズ農家が次々に廃業に追い込まれたことが
書かれてあります。

国際貿易ではたった一件の食中毒事件が、大きな流通を
壊しかねないことから衛生法が強化されます。
しかし、小規模のチーズ工房は国際基準の近代的な
工房に改造することなど資金的に出来ないから、
ばたばたと潰れてしまったとのこと。

島村さんは
美味しい発酵食品と、大きな流通や生産システムが求める
完全殺菌は、本来、相容れないものである

と述べています。

大事ないい加減さ、良い加減さがあるのだと思いますね。
それには自分の命の糧となる食の内容を、
表示に書かれた数値で判断する、いやそれでしか判断できない
現実の壁を越えていく必要があるのだと思います。

自分の舌や鼻で判断を下す、意外と出来ないのではないでしょうか?

コメントをどうぞ

コメント欄