実は滋賀は一つではない、鮒寿司の鮒の呼び名から分かること。
2010年4月8日
昨日の鮒の塩切りの取材の話から。
近藤さんはマブナの仲間の意味合いでヒワラの
塩切りもしているか?質問をしました。
すると塩切り作業をしている方が
「ヒワラは安いけど、大柄で骨が硬いから以前はヒワラで
鮒寿司を漬けていた人も、最近は皆ニゴロに替えている」
と言われました。
そうですか、とその場ではヒワラの話は
それ以上はありませんでしたが、帰りの車中で
「話がかみ合っていなかったような気がする」
と先ほどのやり取りの話になりました。
twitterで知り合った辻村様に教えてもらった
『江州人』での話もあります。
で、以前からのメールでのやり取りでも
どうも話がかみ合っていないようであったので、
帰宅後、藤戸君に電話にて確認してみる事にしました。
私も十分には把握していないのですけど、と断って
「こちら(湖北)ではヒワラはマブナ(ギンブナ)の
一種または状態として呼ばれているようですが、
そちら(湖西)でいわれているヒワラは
もしかしたら、ゲンゴロウブナを指すのではないですか?」
すると
「え?ヒワラがゲンゴロウですか?
こちら(湖西)ではニゴロとゲンゴロウは同じような意味合いで
使われていると思います。詳しい人に確認してみます」
というような返事でした。
ああ、やぱり!
確か学術的には琵琶湖にはギンブナ、ニゴロブナ、
ゲンゴロウブナとそれらの亜種と分類されています。
(県立琵琶湖博物館のnet記事より)
当然、琵琶湖では分類以前から鮒は存在し、漁もされていました。
ニゴロブナの鮒寿司としての需要がいつ頃から
特別なものになっていったのかは分かりませんが、
漁師さんは漁師さんたちの文脈で鮒の区別をされていたでしょう。
ヒワラやマブナという学術上出てこない鮒が呼び名として存在したり
ゲンゴロウブナを指し示す実態が実はニゴロブナであったりなどは
エリアごとに需要の種類か少しずつ違った結果ではないか?
と想像します。
滋賀県はトウモロコシの古い呼び名に
コウライ、ナンバ、ナンバンの三種類があって、
その呼ばれている地域は北国街道、中山道、鯖街道の
街道筋の文化の違いとリンクしているというような話を
以前TV番組で見たような記憶があります。
もしかしたら、そのような街道筋の文化的な違いなのか
または漁業の水上交通上の住み分けがあったのか
何らかの理由があったのでしょうね。
少し、ネットや図書館で当たってみましたが
それに関するテーマの資料は見つけられませんでした。
また、妄想で地図を書いてみましょうかね?