手作りフナズシ品評会2011〜ニゴロブナを通した人の交流

2011年3月7日

先日開催されました「手作りフナズシ品評会2011」について
書きたいと思います。

<用意した鮒寿司・片面飯を残して冷凍し3mm程度の斜めスライス>
<用意した鮒寿司・片面飯を残して冷凍し3mm程度の斜めスライス>

肉厚に見えるけれど、斜めにスライスしているから実質は3mm程度。
オレンジの卵の部分の断面が大きくなって見栄えが良いかな?と…。

<フナズシ品評会一次審査の様子>
<フナズシ品評会一次審査の様子>

今年二回目の参加となる手作りフナズシ品評会ですが、
私は残念ながら一次審査を通過できませんでした(泣)

さて、昨年も参加したフナズシ品評会ですが
そのお陰で通常なら知り得ない方々と出会えました。
何よりも昨年は彦根の水産試験場にお伺いできたのは
貴重な体験でした。

今まで知らなかったニゴロブナの生態などについても
新たに学ぶ事も出来ました。私にとっては驚き!の新事実でした。
この事実はこれをご覧の皆さんにとっても、
驚きの腰を抜かす事実だと思いますね〜(^^♪

今回も何人かの方々とお話をさせて頂きました。
隣におられた京都大学の研究職の方とは漬け方塩の使い方について
あ〜だ、こ〜だと話をさせて頂きましたし、
対面の水産振興協会の方とは、以前にも水産試験場で
少しだけ聞いた、栽培漁業について色々とお話を伺いました。

そんな中で私なりに理解した事は、この「フナズシ品評会」〜つまり
「鮒寿司作り」を通じて組織交流をされているのではないか、
という事です。

ある意味、私は部外者として参加していますので
深い部分までは知る由も有りませんが、
去年今年の参加者の所属を見ていますと、
県の水産課水産試験場滋賀県水産振興協会
それから漁業組合関係者琵琶湖汽船といった方々です。
今回は琵琶湖博物館の館長さんも来ておられました。

恐らく(今年で9回目と言われていましたが)以前は
各組織の交流があまり無く、同じ琵琶湖に関連がありながら
それぞれがそれぞれの業務を行っていた、
というような実情があったのかもしれません。
またその実情故の弊害もあったのかもしれません。

そんな中、有志の方々が「鮒寿司を漬け、その味の品評をしあう」
という催しを通じて人的交流を始められ、今に続いているのかなぁ〜?
そんな想像をしてみました。または催しを通じて人々が
繋がっていったのかもしれませんね。

行政関連の組織内部のことはよく分かりませんが、
琵琶湖汽船の取締役の方からも以下のような話を聞きました。

観光事業を営む琵琶湖汽船が漁場の網を傷つけるということで
漁業関係者とは良い関係ではなかったそうです。しかしながら
ここの鮒寿司茶漬け講習会から派生して沖島漁協と琵琶湖汽船が
コラボレーション
をして鮒寿司茶漬けツアーを企画されました。
それが大変好評だったたそうです。

こんな感じで手作り鮒寿司を通じて、いろんな壁を乗り越えて
人々の交流が行われているのではなかろうか〜、
そんな印象を受けました。

普段はそれぞれの関連業務を行っていますが、
絶滅危惧種でありながら水産資源としてのニゴロブナ、
それが食される形としての鮒寿司…
手作りフナズシ品評会を通して人々が有機的に繋がっている
そういう事だと思います。

<中締めの挨拶をされる藤原さん>
<中締めの挨拶をされる藤原さん>

中締の挨拶でこの会の主催者の一人藤原さんがお話を
されましたが、藤原さんは昭和末期に激減した
ニゴロブナを増やす取り組みをされてきた方の一人です。
藤原さんは以下のような話をされました。

フナを増やすだけではダメでその食文化も残していかなければ
ならないとの思いでフナズシ講習会を催した。
始めた当初は参加者が5〜6人だったが、
それが去年では50人ぐらいになった。

さらに琵琶湖汽船と沖島漁協の共同講習会も開かれたり
西浅井や尾上の漁協でも講習会が開かれるようになった。

これからも、それぞれの水産関係者が力を合わせて
一生懸命ニゴロブナを増やしていくので、
今日参加さされた皆さんも、またそれぞれの地で
鮒寿司講習会を催したりなどしてこの
食文化を広めて頂きたい

こんなお話をされました。

昨年のフナズシ品評会の模様はこちら↓
鮒寿司が食い放題!「手作りフナズシ品評会2010」に参加(2)

昨年伺った水産試験場での話はこちら↓
琵琶湖は既に日本一デカイ養殖池となっていた

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